ホクロの除去はさまざまな方法があります。場所やホクロの深さ・形によりどの方法が適するかが違います。
当院の手術担当は形成外科専門医です。
額、眉間などの顔の一部、頚部、腕、背中、胸などの部位のホクロにくり抜き法を使用すると、手術後の傷がきれいにならないことがあり、むしろメスを使ってホクロを切除して縫い合わせるほうが手術後の傷がきれいになります。
ホクロを含めて紡錐形にデザインして切除後に縫い合わせ、ホクロの直径より約 2.5〜3倍の直線の傷になるようにします。
抜糸が必要です(顔面:5〜7日後、その他:7日後)。場所によっては皮弁形成術など複雑な手術を必要とすることもあります。
炭酸ガスレーザーによるくり抜き法は、ホクロの境界ぎりぎりまでホクロをレーザーで蒸散させ、除去して欠損した部分の組織を盛り上げて傷を塞いで、治癒させます。
ホクロを皮膚表面から浅く削り取る治療を繰り返すことによって、最終的に少しでも傷痕を少なく治療しようというものです。1回1回の傷は皮膚表面か ら浅いので、ホクロの形や深さによっては、メスによるくり抜き法などに比べるときれいに治ります。皮膚の浅いところまでのホクロでは1回の治療で終了しま すが、皮膚の深い部位までホクロの細胞が入り込んでいるタイプでは1回では取りきれないので、複数回の施術が必要になります。繰り返す際には傷が落ち着く までの数ヶ月(赤みが消えるのを目安:3〜6ヶ月)待って、次の施術を行います。
傷痕が少しでも少なくなるのが利点ですが、複数の施術が必要となり、数ヶ月にわたってご来院いただくというのが欠点となります。
盛り上がっていないホクロで、直径が小さいホクロは、Qスイッチルビーレーザーというメラニンのみに反応するレーザーで脱色できます。
ホクロにレーザーを照射すると、熱でホクロのメラニンが破壊され、ホクロの組織の色素をつくる細胞が脱落します。ホクロの細胞は残存しますが、色は半永久的に消えます。1回の治療で色が消えることもありますが、通常は数回の照射が必要です。
ホクロから毛が生えている場合では、この治療により同時に脱毛が可能です。黒子の色が濃いほど痛みが強くなりますが、瞬間的な痛みであるため表面麻酔も不要である場合がほとんどです。